『ダビデシリーズ:神は依り頼める方』
スライドはこちらから→20210523 ダビデシリーズ3 神は依り頼める方
詩編56章の最初にこう書かれている。
「ダビデの詩。ダビデがガトでペリシテ人に捕えられたとき。」
ダビデは偉大な王様。
イスラエルを強国にした。
何度も戦って大きな勝利を収めた戦士。
聖書に記された数が多い信仰者。
私たちにとって、3000年前のこの人の人生が私たちと共感するのか?
と疑問に思うことがある。
今日読む箇所はダビデと私たちが繋がっていることを示す。
彼の人生にとって最も低いところにいるとき。
最近、私たちはどのようなことが人生で最も難しいですか?
葛藤していますか?未解決な問題ですか?
最近よく言われるパワハラ、モラハラ?
仕事を失う?
評判を失う?
プレッシャーで眠れず、朝早く起きてしまう?
頼りにできる大切な人を亡くした?
理解してくれる友人が遠く離れてしまった?
心配で胸が苦しくなる?
ストレスで胃がキリキリする?
夫婦でのすれ違い?
先行きが見えない感覚はありますか?
何をやってもうまくいかないと感じますか?
やってしまった、失敗したという思いがありますか?
ビジョンを持っていたのに、人生が違う方向に進んでいる感覚がありますか?
ずっと追われていて、疲れていると感じる。
休んでも疲れが取れない。
今挙げたいくつかは自分も葛藤していること。
感情的になる誘惑がある。
今あげた全てのことは、この時期のダビデに降りかかったことだった。
1サムエル19:9-10
当時ダビデはサウルに使え、戦士の長だった。
でも少し前からサウルに狙われる。戦士の長の立場も解かれた。
サウルから逃亡せざるを得なくなった。
サウル一人の影響によって彼の人生に大きなことが起こった。
モラハラ、パワハラで人望を失った。
サムエルとも離れた。
親友、戦友のヨナタンとも離れた。
逃亡は10年以上に及んだ。
何度もプレッシャーに襲われ、先行きが見えなくなりプレッシャーを感じたと思う。
1サムエル21:11-14
この時のダビデはどのような思いだったか?
逃亡生活が続いている。
次の章ではヨナタンが協力してくれるが、この時点では完全に一人だった。
ペリシテ人の国、イスラエルにとって最も悩ましい敵国だった。
先週学んだ、ゴリアテの国。
ダビデのことが明らかにされると、気が狂った人のように振る舞った。
あなたは気が狂った人のように振る舞ったことはありますか?
ダビデ、偉大な王と約束された人。信仰者、偉大な戦士。そんな彼がそのように振る舞った。
今日、大切な問いかけをしたい。
神は依り頼むことができる方、と言う今日の説教タイトル。
神様は本当に依り頼むことができる存在でしょうか?
ダビデが頼ることができた神様はどのような神様でしょうか?
ポイント1:痛いほど正直な神
詩編56:2-4,8
・踏み躙られています
・虐げています
・陥れている
・攻撃している
・怖い
・神様は私の嘆きを数え、記録に載せた
・あなたの革袋にわたしの涙を蓄えてください
ダビデは制約なしに自分の心をシェアした。
嘆きの詩編と言われる所以。
嘆きの内容、敵だけでなく神様にも向いている。
私が神様だとしたら、聖書を人に信じて貰いたいのであればこのような言葉は残したくない。
ダビデは敵が虐げている、攻撃されていると言っている。
神様は全知全能、助けてくれると言ったのに。
これらは、神様はいないということを証明するような表現ではないでしょうか?
神様が働いていることだけを聖書に残すのが良いのではないでしょうか?
ダビデの神様はここまで正直な神様だった。
ダビデが心の全てをさらけ出せるほど信頼できる方。
今日私たちは神様に対してどれほど正直でしょうか?
私は自分を深める中で十分正直ではないと思った。
ある姉妹が、人づてに私に言いづらいことを伝えてくれた。
電話して、直接言って欲しかったと伝えた。
しかし、そのことが彼女に不信感を与えてしまい、怒っているように感じたと言われた。
雄大こそ直接言ってくれない、と丁寧に言われた。
自分はその部分で正直ではない、と思った。
私は元々感情表現が得意ではない。
それを教会で助けられて出せるようになってきた。
何かあれば辛い、と言えるようになってきた。
でも気持ちを出すことが苦手。
多いのが、「やりたくない、苦しい」とは言うが「神様のためにやる」に収束するパターン。
正しくはあるかもしれないが、我慢し過ぎている。
本当のところでは感情が出せていない。
ダビデはただ正直に心を出した。
怒りを出した。綺麗な表現もしない。痛いほど正直。
神様の前で遠慮したり、空気を読むことをせず心をさらけ出した。
詩篇を読んでいると、ダビデの言葉は嘆きから接続詞もなくいきなり神様への賛美に変わる。
でもそれは正直なのかもしれない。
「痛みと賛美は同時に存在する現実です」ケビン・バンホーザー
これが本当の思い。
神様は痛いほどに、正直に感情を出せるほど信頼できる存在。
痛いほど正直でなければ、私たちは神様を正しく見ることができないかもしれない。
痛いほどの正直さで、信頼できる神様。
その認識がない時、人間的なものになってしまう。
完璧で、綺麗でないといけない。
出来ていない人を見ると心から喜べなくなってしまう。
教会、敷居が高いと近寄り難くなる。
最も正直でない存在が、クリスチャンになったら最悪
ダビデの神様は痛いほど正直。
神様はそれほどまでのレベルで正直な方。
神様と繋がっていきましょう。
ポイント2:神様はいつでもどこでも
詩篇56:4-5,11-12
ダビデの神様への信頼は深い。
人間に振り回されても、肉に過ぎないものが何をなし得ましょう、と言い切った。
なぜこのような表現をダビデはする?
この箇所を繰り返し読むと「In God」という表現が気になる。4回登場する。
日本語聖書では下記のように表現されている。
新改訳聖書「神にあって」
聖書協会共同訳「神によって」
どういう意味でしょうか?
神様の内側にある時。
ダビデはサウルによる難しい状況でも「In God」を忘れない。
存在を示すIn。
ダビデの神様はどんなときでも邪魔されない、いつでもどこでもの方。
命が狙われていても、何年かかっても神様がいてくださる。
そのことに信頼を置く。
神様はいつでもどこでもの方。
それが聖書が伝える大切な神様のこと。
何度でも覚えることが大切。
人生を振り返ると、様々なことを考えさせられる。
なぜダビデはここまで追い詰められるのか?
ダビデはどんな状況であったとしても「In God」、神様の存在が感じられるように働いてくださると信じていた。
それこそがサウルからの逃亡の10年で最も美しい詩編に繋がった。
最後にこの話で終わる。
世界で最も高い木がアメリカにある。ジャイアントセコイア。
大きなもので100メートル以上ある。自由の女神より高い。
地上30階のビル以上。
高さも体積も圧倒的に大きい。
私は数年前に存在を知ったが、最も興味を惹かれるのはその成長の早さ。
この木はどのように大きくなった?成長するための要因は?
それは、火。火は通常、木を燃やしてしまう。
この木も何度も燃えて育つ。落雷、山火事を経験する。
火は悪いことに思うが、周りの他の木が燃えてなくなり、ジャイアントセコイアが栄養を取れるようになる。
実際、山火事を人間が消すようにすると、ジャイアントセコイアが育たなくなったため、消さないようにしているそう。
試練があればあるほど強くなる。
ダビデの偉大な信仰、成し遂げたことは偉大。
彼の人生は、この木のように試練だらけだった。
神様との葛藤を味わい、恵み、成長が与えられた。
それこそが、本当の神様を見出すことになる。