『真実の平和』
ルカ2:4-20
ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。
ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。
宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。
すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。
今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。
この方こそ主メシアである。
あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。
これがあなたがたへのしるしである。」
すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」
クリスマスではイエスの誕生とイエスが与える平和をお祝いします。
イエスの誕生は神様との真実の平和を知らせています。
時に私たちはその知らせを見逃してしまったり、歪めてしまいます。
第二次世界大戦後、小野田寛郎氏は3人の仲間の兵士(一等兵・赤津勇一氏、伍長・島田庄一氏、上等兵・小塚金七)と日本抵抗軍として軍事作戦を続け、最初はフィリピンのルバング島の山間部に籠っていました。
その間、小野田氏と仲間はゲリラ作戦を実行し、フィリピン警官と銃撃戦を行いました。
彼らが初めて日本が降伏したという知らせの紙を見たのは1945年の10月でした。
別の班が牛を殺し、「戦争は8月15日に終わったので、山から出てこい」と書かれている紙を見つけました。
しかし、彼らはその内容を信じませんでした。
四人の兵士の一人である赤津勇一氏が1949年9月に逃亡し、彼個人は6ヶ月後の1950年にフィリピン軍に降伏しました。
これにより仲間への安心感の問題が発生し、彼らはますます警戒心を強めました。
1952年、手紙や家族の写真が航空機から落とされ、降伏するように要請しましたが、三人の兵士はこれは罠だと結論づけました。
1953年、島田氏は島民の漁師との銃撃戦の際に足を撃たれ、その後小野田氏は彼が健康になるまで介抱しました。
1954年5月7日、島田氏は日本兵士を探している山岳部隊に撃たれて亡くなりました。
1972年10月19日、小野田氏と小塚氏がゲリラ作戦の一環として農家の米を燃やしている間に、小塚氏に警察の銃弾が2発当たり亡くなりました。
それにより、小野田氏はついに独りになりました。
平和はありましたが、四人の兵士たちは平和を信じていませんでした。
平和を疑っていました。戦争が続いていると信じて何十年も暮らしていました。
あなたは心に平安がありますか?それとも難しい思いがありますか?
イエスの人生は今日あなたに世の中が決して与えることできないものを与えてくれます。
イエスは私たちの心に、真実の平和がある人生を与えてくれます。
この聖句を見てみましょう。
ヨハネ14:27
「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。
わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。
おびえるな。」
ヨハネ16:33
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。
あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」
この言葉から私たちは何を得られるでしょうか?
イエスはこの世は真実の平和を与えてくれないと言っています。
実際に、あなたには困難があります。
・コロナ
・経済的不安定
・自然災害
・壊れた関係
・裏切り
・財政的な打撃
・仕事上の問題
・個人的な罪や中毒
・精神的な健康問題
私たちには困難があります。
私たちには恐れと心配があります。
世の中はどのように対処するように言うでしょうか?
・完璧なパフォーマンスによる条件付き?
・運次第?
・十分なお金?
・そのような平安は続きませんし、頼ることはできない?
・全てが完璧にうまくいくまで、待たないといけない?
・小野田氏と仲間の兵士のように、生き残るために戦い、盗み、隠れないといけない?
なぜイエスの平和はこんなにも力強いのでしょうか?
ポイント1:イエスの平和は状況に左右されない
イエスの平和は「内側の平和」です。
イエスは十字架にかかる前の夜にこれらの言葉を話しました。
イエスの人生に起こった大きな出来事がありました。
イエスは「彼の中にある」平和を約束しています。
ホレイショ・スパフォードさんの話:
ホレイショ・スパフォードさんは成功している弁護士・不動産投資家でしたが、1871年のシカゴ大火で財産を失いました。
そして同じ時期に、彼の愛する4歳の息子が猩紅(しょうこう)熱で亡くなりました。
休暇が家族に必要だと思い、彼は妻と4人の娘をイングランド行きの客船に先に乗せ、彼も急ぎの仕事を終えたら合流する予定でした。
しかし、大西洋を横断中に、その客船は衝突事故に遭い、沈んでしまいました。
200人以上の人が命を落とし、その中にはホレイショさんの大切な4人娘さんが全員含まれていました。
妻のアンナさんはその悲劇の事故を生き残りました。
彼女はイングランドに着くとすぐに、電報で夫に送りました。
書き出しは「一人、もうどうしたらいいの?」でした。
ホレイショさんはすぐにイングランドに向かいました。
航海のある地点で、船長がスパフォード家族に起こった悲劇に気が付き、ホレイショさんを呼び、その海難事故が起きた場所は通過しないようにすることを伝えました。
ホレイショさんは娘たちのことを考えると、慰めと希望の言葉が彼の心と精神を満たしました。
彼はそれを書き出し、それ以降その言葉は非常に愛されている賛美歌になりました。
『やすけさは川のごとく
心ひたすとき
悲しみは波のごとく
わが胸満たすとき
すべてやすし
み神共にませば』
キリストについていく人は困難を経験しますが、それと共に困難の中に平和を見出すことができます。
ポイント2:イエスの平和は揺れることのない約束に基づいている
ヨハネ16:33
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。」
イエスは何を伝えているでしょうか?
イエスは神様が弟子たちを愛していると伝え(ヨハネ13:1)、
イエスは天の国に弟子たちのための場所を用意すると伝えました(ヨハネ14:2-3)。
イエスは、聖霊が私たちの内に宿り、友として、弁護者としてわたいたちを励ますと伝えました(ヨハネ16:8)。
イエスは、彼らが意義があり、永遠に続くことを行えるように良い業を行ったと伝えました(ヨハネ16:12,16)。
イエスは、私の名によって願うことは何でもかなえてあげようと伝えました(ヨハネ14:14)。
ポイント3:イエスの平和はイエスへの信仰を通して与えられる
ヨハネ16:33
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」
イエスは彼を知り、信頼し、彼に頼る人に平和をお与えになります。
私たちはイエスについて知ることができるかもしれませんが、まだ平和を味わってないかもしれません。
自身をクリスチャンと呼べても、神様が約束する平安を味わえていないかもしれません。
何年もずっと戦いを続けていても、一度も平安を見つけられていないかもしれません。
私たちは心を開いて、平和のメッセージを持ってきてくれる人を信頼する必要があります。
1974年2月20日、小野田氏は鈴木紀夫氏という日本の青年に出会いました。
鈴木氏は世界の冒険家であり、「小野田少尉・パンダ・雪男という順番で会うのが夢だった」と小野田氏を探していました。
鈴木氏は探し始めて4日目で小野田氏を見つけました。
小野田氏は2010年のインタビューでこの瞬間を表現していました。
「このヒッピーな若者はこの島に日本人の兵士の心の声を聞きに来たんだ。鈴木氏は私にどうして出てこないんだと尋ねました。」
小野田氏と鈴木氏は友達になりましたが、小野田氏は今でも「上官から命令がない限りはここを動かない」と言い、投降することを拒みました。
鈴木氏は会うことができた証拠として小野田氏と撮影した写真を持って日本に帰国しました。
日本政府は小野田のかつての上官である元陸軍少佐・谷口義美氏を探し出しました。
彼はずっと昔に投降し、それ以降は書籍販売員でした。
谷口氏はルバング島に行き、1974年3月9日、彼はついに小野田氏との再会を果たし、1944年に誓った「何があっても、お前のために戻ってくる」という彼との約束を果たしました。
それにより、小野田氏は適切に任務が解除され、そして降伏しました。
彼は持っていた剣、99式短小銃、500発の弾薬、数個の手榴弾、そして、もし捕虜になった時に自害するために1944年に母からもらった短刀を渡しました。
1974年12月18日にインドネシアで拘束された、中村輝夫等兵だけがその時も抵抗を続けていました。
小野田氏は人の命を奪い、フィリピン警察と銃撃戦をしましたが、彼の状況(すなわち戦争が今も続いていると信じていたこと)が考慮され、フェルディナンド・マルコス大統領は小野田氏を恩赦しました。
神様はただ神様に投降し、彼の与えるものを信頼する人に、全ての赦しと平和を与えてくださいます。
あなたはいつまで孤独のままでいるつもりですか?
あなたはいつでも抵抗しようとしていますか?
今こそ信頼し、自身を委ねて、真実の平和を見つけましょう。